本誌19号で授与式の模様を紹介した「ヤマハ音楽支援制度・音楽活動支援」の対象者・中務麗子さんが、昨年11月23日に東京・トッパンホールでピアノリサイタルを行った。 英国王立大学で音楽学士号(B.Mus)修得後、ギルドホール音楽演劇学校大学院伴奏科を卒業し、現在カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学音楽学部の博士課程(DMA)に在籍中の中務さんは、ワットフォード音楽祭でモーツアルトのピアノ協奏曲第17番を演奏し、コンチェルト部門1位を受賞するなど、国内外で独奏者及び室内楽奏者として意欲的な活動を続けている。
今回の「道化師たちの調べ」と題されたリサイタルでは、ラヴェルの「鏡」からの3曲を皮きりに、シマノフスキの「仮面劇」、ドビュッシーの「前奏曲集」より3曲、リストの「ヴェネチアとナポリ」というユニークなプログラムを披露。持ち前の表現力と音楽性で作曲家が独自の個性を刻み込んださまざまな道化師たちの姿を浮き彫りにし、「ヴェネチアとナポリ」の第3曲「タランテラ」では、その圧倒的なテクニックで満場の聴衆に深い感銘を与えた。
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